モノが見えるしくみをご存じでしょうか?
目をカメラにたとえるとわかりやすくなります。水晶体がカメラのレンズ、網膜がカメラのフィルムの役割をします。カメラではレンズを通過した像がフィルムに記録されますが、同じように目では、水晶体を通過した像が、網膜面上でぴたっとピントが合うことでモノが見えます。これを“正視”といいます。一方、網膜よりも前でピントが合う状態のことを“近視”といい、近くはよく見えますが、遠くはぼやけて見えにくい状態です。網膜よりも後ろでピントが合う状態のことを“遠視”といいます。
近視は、その進行程度に応じて、弱度近視・中等度近視・強度近視と分類されます。進行すると「見る」ために大切な働きをしている網膜など目の後部(後眼部)に負荷がかかります。後眼部への負担は、視力の低下や色の明暗がわかりにくくなる、動くモノを見るための動体視力が低下する、といった「見る」機能全体に影響を与える原因になります。
近視人口は世界中で増え続けていて、なかでも日本を含む東アジアでは近視の割合が多いことが知られています。
また、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活習慣が大きく変化し、近視の児童が増加したとの報告もあります。
文部科学省の学校保健統計調査では、裸眼視力1.0未満の割合について報告しています。右のグラフでは、6歳の結果を示しており、裸眼視力1.0未満の割合が年々増加していることがわかります。